第1章 episode.00
それからまた違う場所に目をやり…
あそこの女子グループは昨日のドラマに出ていた俳優の話
こっちの女子グループは好きな人と良い感じだとか、彼氏と喧嘩をしただとか…所謂、恋ばな。
目線を少しずらせば、男子がゲームの攻略方法だったり自分の装備の話をしていて
どうやら今日の夜に狩りに出るらしい。
ひとしきり周りを見てから窓の外へ視線を
向けてまた一つ息を吐く。
……正直、羨ましい。
私はこの三年間、そんな話が出来る友達も彼氏も…親も居ない。
どこに居ても独りぼっち。
などと考えてしまえば朝から暗い気持ちになってしまう為、軽く首を左右に振って考えていた事を飛ばす。