第7章 君が好き
かなめside
泣き過ぎて晴れ上がったまぶたを
どうすることも出来ず
会社に出勤した私は
同僚や先輩や上司
会う人みんなに驚いた顔をされ
"大丈夫…(汗)?"
と質問され続け…
会社が終わる頃には
"大丈夫です(笑)"
と笑って答えることにさえ
疲れきっていた…
大倉さんに会いたい…
声が聞きたいし…笑顔がみたい…
昨日あのメールを見た時から
会いたくて声が聞きたくて
頭がおかしくなりそうだった…
だからとうとう本当に頭がおかしくなって
しまったのか…
私の家の前で
うつ向いて…
大きな体を小さく丸めて踞っている
大倉さんが見える…?
むやみに側に近付くと消えてしまいそうで…
その場から動けなくなった
私に気付いたその人は
顔を上げ立ち尽くす私を見つけた瞬間
立ち上がり走り出して
一瞬で私の体を大きな体全部で
包み込む…
会いたくて会いたくて会いたくて
頭がおかしくなってしまったなら
もうそれでもいいのかもしれない…
だって今この瞬間私は
私を抱きしめてくれるこの手を
二度と離したくない…
そう願ってしまっているのだから…