第7章 君が好き
ため息をつきながら
電話に出た俺に安は
『今大倉の家の前におるから
すぐに出て来て…?』
そう早口に言って
返事も聞かずに電話を切ってしまって
仕方なくのそのそと
そこら辺にあった上着を羽織り
家の外に出る…
マンションの前で
俺が出てくるのを待っていた安は
俺の姿を見つけると
ひらひらと笑顔で手を振り…
そんな安の姿を見た俺は
再度大きなため息をつく…
「朝から何の用なん…?
もしかして
かめちゃんと付き合いだしましたとか…
そんな報告やったら
聞きたくないからね…?」
不機嫌をおもいきり顔に出し
そう言って地面を睨み付けていると
安「そうやったら良かったんやけど
そんな話じゃないよ(笑)?
俺な…かめちゃんにフラれた(笑)
昨日大倉が帰ったあと
かめちゃんぼろぼろ泣いてな…?
情けないけど俺には…
どうしてあげることも
出来んかったわ…」
そんな安の言葉にゆっくりと
顔を上げまじまじと安の顔を見ると
俺と同じくらいひどい顔で
辛そうに笑う安の顔が
そこにあった…