第6章 揺れ動く感情
大倉side
俺は今…
俺の腕を掴んでくれたかめちゃんの手を
振り払ってしまったんやなぁ…
そんなことを考えながら
一人家までの道を歩き
家の中に入り
玄関の扉が閉まった瞬間
我慢してた泪が溢れ出してくる…
男やからとか
男やのにとか
そんなことどうだっていい…
男が泣いて何が悪いねん…?
かめちゃんの手を離した…
その事実がこんなにも
胸に突き刺さって痛くて苦しい
こんなにも好きやのに…
俺はどうやっても安には
勝たれへん…
何で俺は安よりも前に
かめちゃんに出会われへんかったんやろ…?
そしたらきっと俺は
かめちゃんの気持ちをちゃんと捕まえて
絶対に離したりせぇへんのに………