第6章 揺れ動く感情
大倉side
"大倉ごめん…"
そんな風に真っ直ぐに頭を下げる安を見て
何を言えば良いのか
分からないまま俺は
かめちゃん「章ちゃん…頭なんて下げないで?」
そう言って安の側に駆け寄るかめちゃんを
ただ見ていることしか出来なくて…
俺は安とかめちゃんに背中を向け
一人歩き出す…
"大倉さん…?"
そう俺の名前を呼ぶかめちゃんの声がして
俺の腕にかめちゃんの手が触れる…
「もうええよ…無理せんで…?
かめちゃんが
安の手を振りほどけないことぐらい
解ってたから…。
それでも俺は自分勝手にただ
かめちゃんを信じたかったんやな…
今この時まで
アホみたいに疑うこともせずに…
でも今日…俺の知らんとこで
二人で会ってたん見てちゃんと解ったから…
ごめんな…俺鈍くて(笑)」
そう…
後ろを振り返りもせず言った俺の言葉に
かめちゃんは掴んだ腕をゆっくりと離した…