第6章 揺れ動く感情
「かめちゃん…?」
私の名前を呼ぶ章ちゃんの声に
急いで顔を背けると…
章ちゃんは車を止めて
私の背中をふわりと包み込むように抱きしめる…
安「かめちゃん…
もう遅いんかな…?
俺…かめちゃんを誰にも渡したくない…
気付くのが遅すぎたんは認める
ただ側に…
すごく近くにいすぎて
かめちゃんなどれだけ大事な存在か
俺解ってなかった…
俺から離れていかんといて…?
これからも先もずっと
俺の側におってほしい…。」
少し震える声で
私の背中にぶつけられた言葉は
胸に突き刺さるように
切なくて…
苦しくて…
痛くて…
私を抱きしめる章ちゃんの腕を
振りほどくことが出来なかった…