第5章 最強のライバル出現?
かなめside
突然近付く顔に
身動きもとれないまま
章ちゃんの唇が私のほっぺたに触れて
あまりの事態に
固まったままの私をよそに章ちゃんは
安「ごめんなかめちゃん?
家まで送ってあげたいんやけど
俺この後まだ仕事残ってて
大倉に送ってもらって?」
そう何事もなかったかのように言い残して
タクシーに乗り消えてしまって…
訳のわからないまま
章ちゃんの唇の触れたほっぺたを
押さえたまま動けない私の手を
大倉さんは何も言わずに握りしめ
歩き始める…
黙ったまま私の少し前を歩く
大倉さんの背中は怒っているようで
でもどこか悲しそうで
私は繋がれた手を引き寄せ
大倉さんの目の前に立つと
大倉さんの顔をじっと見つめた……