第3章 ドキドキする手と安心する手…
かなめside
「何食べたいですか?」
店を出て外を歩きながらそう聞くと…
大倉「なんか今はお腹すいてないわ(笑)
だから今度また改めて
ごはんおごってくれへん?」
なんて大倉さんは笑いながら言う……
「いいですけど…
体調が悪いとかでは無いですよね…?」
なんだか元気がない大倉さんに
心配になって手を伸ばしおでこに触れると
その手に大倉さんの大きな手が重なって
「あの…どうしたの………?」
大倉「かめちゃん……一回だけ…
かめちゃんを抱きしめてもいい…?
ごめんな…一回だけやから………」
そう言うと…
私の体をふわりと大きな体が
包み込む……
私の耳にどくんどくんと
大きな心臓の音が聞こえて
その鼓動と同じスピードで
自分の鼓動の音が重なって
今にも心臓が破裂してしまいそうで………
気が付くと私は
私を抱きしめる大倉さんを突き飛ばして
全速力で走り出していた……