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世界の果てのゴミ捨て場(HQ)

第3章 you are in my life (夜久衛輔)



 
 お昼を過ぎた頃、母親がうどんを作ってくれた。冷蔵庫の残り物で見繕ったのか、具が質素で、揚げ玉が入っていないことに文句を言うと、「食欲があるのは元気な証ね」とあしらわれてしまった。お腹が満ちると、眠い波に襲われる。起きた時、またスマホが振動していた。
 
 
 
 



『今日、練習の帰りに行くよ』
 
 
 えっ、と声が出てしまう。お見舞いに来てくれる、という意味だろうか。夜久が。あのキリッとした目をふにゃりと細めて、照れたように笑う彼の顔が思い浮かんだ。
 
 嬉しい。嬉しくて、かけ布団の端を抱き寄せる。記念にスクリーンショットを撮っていたら、追加でメッセージがきた。
 
 
『体調悪い?しんどいなら、やめるけど』
 
『そんなことない!』と叫ぶ勢いで打ち返す。『いますごく寂しいの!』
 
 
 送信して、我に返る。部屋に置いた、鏡に映る自分と目が合う。たくさん寝たから、汗で前髪が張り付いている。寝巻き姿だ。かわいいパジャマというわけでもない。
 
というか部屋も散らかっている。
 
 
「やばいな」頭がさらに重くなる。
 
 
 
 
 
 
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