ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜
第2章 メイドの学校
リーンリーン
授業開始の鈴の音が響いた。
エミリはじゃあと言って席に戻った。
私はボンヤリと外を眺めるとコウモリが二匹窓辺に止まった。
この学校ではコウモリが飛んでることは珍しくないけど、
驚いたのはその色だった。
銀色と金色。
二匹は隣同士に座って、教室の中を見ていた。
「ごきげんよう、皆さん。」
ドアが静かに空き、レイチェル先生が挨拶をした。
「ごきげんよう、ミス・レイチェル。」
皆は揃って挨拶をし、礼をした。そして揃って着席した。
「それでは早速授業を始めます。
テキストの25ページを開いてください。」
レイチェル先生はバンパイアハーフだった。
見た目も若々しく、色香漂うナイスバディだ。
ブラウンのゆるいカールのかかった髪がよく似合う。
マキアはレイチェル先生は今日も綺麗だなぁ~っと思いながらテキストを開いた。
ふと窓辺を見ると、あのコウモリ達と目が合った気がした。
(なんだろあのコウモリ。あんな色初めて見たなぁ。誰かの使い魔かしら。)
コウモリを使い魔に使う事はこの世界では珍しくない。
人間界で言う伝書鳩のような役割をしたり、
しつければ簡単な言葉を話したり、
番犬のように使う事も出来た。
なのでコウモリはいつも数匹学校の周りを飛んでいたし、
一緒に登校してくる生徒もいた。
マキアは不思議に思いながらも、
そんな色のコウモリもいるんだなぁと思い、授業に集中した。
リーンリーン
授業終了の鈴の音が鳴った。
「それではここまで。皆さんしっかり復習しておいて下さいね。」
マキアはさっきのコウモリの事を思い出し、窓辺を見た。
しかしそこに2匹のコウモリはいなかった。
主人の元に帰ったのかな。
「マキア、次の授業東棟よ。早く行きましょ。」
「あっうん。」
エミリに声をかけられ、マキアは教室を出た。