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ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜

第13章  初めての夜は





コンコン。


静かにノックをする音が響いた。
カーディナルだ。
僕は一瞬ドキッとし、心臓の音がどんどん早くなる。


「…どうぞ」


何食わぬ顔で返事をしたつもりだったが、
緊張感丸出しの声になってしまった。
情けない。


「…失礼いたします。」


カーディナルの声も、いつもとちがって少しかすれて小さかった。


コツ…コツ…


「!!」


カーディナルは静かに足音を立てて、部屋に入って来た。
僕はその姿に絶句してしまった。

彼女は薄い部屋着に着替えていた。
僕は普段のメイド服以外、見たことがなかった。
薄く体に纏わり付く、シルクの光沢。
月明かりとキャンドルの明かりに照らされて、
彼女の身体の凹凸をこれでもかと見せつけていた。
スカートの裾は短く、膝の上の太ももが歩くたびにチラチラと見える。
足下もいつもと違い消えそうなほど細いヒールを履いていた。
なんということだ。
僕は、もう…。


「ハートランド様…」


カーディナルは少し照れたように微笑み、
僕の名前を呼んだ。

その瞬間、何かが切れてしまった。


「…きゃっ!」


僕は勢い良く彼女をベッドに押し倒し、両手を縫い止めた。


「……」


僕は何も言葉にできず、彼女の顔、身体を舐めるように見つめた。
何を話そうか、どんな手順で愛そうか…
そんなことを、たくさんたくさん考えていた筈だったのに…

美しい…綺麗だ…可愛い…

食べたい…!

僕の頭の中はその言葉で埋め尽くされてしまった。


「ハートランド様…」


カーディナルが全てを察したように静かに呟いた。


「良いのです」


その優しい笑みに僕は我を忘れ、
勢いよく首筋に牙を埋め込んだ。


「っ!」


カーディナルの身体がビクッと震えた。
僕は口の中に流れ込んでくる彼女の味に酔いしれた。
なんて甘美な味…
彼女の味に意識が支配される。
僕は無我夢中で吸い上げた。


「…あんっ…」


彼女が初めて上げる嬌声。
なんて可愛い。なんて艶かしい。
その甘い声が耳元にこだまし、僕の嗜虐性が強く刺激された。


「カーディナル、カーディナル!、カーディナル…!!」


僕は彼女の名前を呼びながら、身体中に牙を突き刺し愛し続けた。


その度に彼女も耽美な声を上げ、
それがまた僕を興奮の坩堝に落としていったのだった。



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