ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜
第12章 メイド心の変化
キッチンに行くと、食材がどっさりとテーブルの上に置いてあった。
料理はされていないものの、
全て新鮮そうで塩胡椒だけでも十分な物ばかりだった。
「リヒ様だよね…」
マキアはちょっと赤くなって食べ物たちを見つめた。
(こんなに食いしんぼうだと思われてるのかな…。
今なら食べられそうな気もするけど!)
「よしっ!いただいちゃおう!」
マキアは調理しやすいステーキ肉とソーセージ何本かを、
オリーブオイルをひいたフライパンへ放り込み、
岩塩とあらびき胡椒を豪快に振りかけた。
焼きあがる間に、ふわふわの食パンを厚切りに切ってチーズを乗せ、
大きなエビも2匹オーブンに入れた。
もう1つのフライパンにはバターと卵、
ブロック状に切ったトマト、ほうれん草、ツナを入れてかき混ぜる。
キッチンは一気に香ばしい香りに包まれた。
「あぁ…早く食べたい…」
オレンジジュースを飲みながら、
マキアは早く火が通るようにフライパン振った。
出来上がった簡単な料理たちをテーブルの上に並べると、
かなりの量が出来上がったことがわかる。
その幸せな光景にマキアはうっとりとした。
「ふふ…リヒ様の命令だもん。今日はダイエットはおやすみ!」
マキアは湯気の立つ料理を眺めてニヤニヤした。
「いっただっきまーす!」
マキアは両手を合わせて声をあげると、
ステーキ肉からほおばった。
「お…おいひい!やわらか…しあわせ…」
いつも以上に栄養を求める身体は、
全ての料理を何倍も美味しく感じさせた。
マキアは食材たちを一つも残さず平らげて行った。
キッチンの片付けを済ますと身支度を整え、
軽く掃除と洗濯をして学校へ向かった。