ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜
第12章 メイド心の変化
ずっと丸まってもいられないと思い、
マキアはしばらくしてブランケットから顔を出した。
すると、サイドテーブルに何かあることに気がついた。
水の入ったグラスと、赤と白のカプセルが1個ずつ。
そして小さなメッセージカードがあった。
マキアへ
薬を飲んで、ちゃんと寝ること。
そしてしっかり食べること。
ご主人様からの命令だよ★
マキアの口角が自然と上がってしまう。
体調が悪くても無理して仕事をしてしまうマキアを気遣ったのだ。
「ハイ…ご主人様。」
マキアはクスッと笑って薬を飲むと、
またベッドへ潜り込んだ。
少しずつ頭痛が消えていくと、
心地よい睡魔が襲って来てマキアは呆気なく眠ってしまった。
どのくらい寝ただろうか。
外の日差しが強くなっている。
時計を確認すると、昼前になっていた。
「わ、6時間以上も寝ちゃったの?」
起きると体が軽くなっていた。
頭痛もなく、だるさも消えている。
マキアは腕をくるくる回し、背伸びをした。
「なんか前より元気になったかも。リヒ様の薬すごい!」
マキアはメッセージカードを見てお礼を言うと、
ポケットにしまった。
「今からなら夕方の授業には出られるね。」
ぐー…ぐぅー…
「!」
マキアのお腹の虫がが盛大に鳴った。
その音は空腹であること心底訴えているようで、
マキアはどんどんお腹が減っていくような気分になった。
「うう…お腹すいたな…。
何か食べたいよー…いや、肉…肉が食べたいー」