• テキストサイズ

ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜

第12章  メイド心の変化




「け…け結構です!!!」


マキアは真っ赤になってブランケットを頭までかぶった。
リヒ様は声を上げて笑ったあと、
ブランケットの上からマキアのおでこにキスをした。


「今日は学校もお仕事もお休み。
精のつくもの食べて、体を回復させること。」


リヒ様はウィンクすると、ベッドから起き上がった。


「…ありがとうございます。
ベッドまで使わせていただいて…。
リヒ様は?」


マキアは目元までブランケットを下げると、くぐもった声で聞いた。


「私はマキアのおかげで元気が有り余っているからね。
ちょっと出かけてくるよ。」


リヒ様はそう言ってとても美しく笑った。
いつも以上に目の輝きも髪の質も良く、肌も綺麗に見える。


「…いってらっしゃいませ。」


マキアは見惚れながら呟いた。


「…ん?なに…寂しいの?」


リヒ様はギシッと音を立てて、
マキアの体の両側に手をついた。


「きゃっ!」


急に体がベッドに沈み、マキアは思わず声を上げた。


「私は“昨日の続き”いくらでも出来るけど…?
マキアは“まだ”出来ないんじゃない?」


リヒ様は楽しそうに笑い、見下ろしてくる。


「む…むむムリです…!!」


マキアは恥ずかしさから、首を横に振るのが精一杯だった。


「ふふ…なら早く元気になって…ね。」


「ひゃっ!!」


言葉の最後に、リヒ様はマキアの耳にキスをした。
そして体を離すと、風を纏って一瞬のうちに消えてしまった。


「……」


マキアは首筋まで波打つ鼓動を抑えられず、
風に揺れるカーテンを見つめていた。
(どうしよう…あんな姿見られて…
 なんだかまともにリヒ様の顔が見られない…)


マキアは、ううー!と呻きながらまたブランケットの中に隠れて丸まった。


/ 68ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp