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ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜

第12章  メイド心の変化




マキアが目を開けると、青白い部屋にいた。
頭と体がぼんやりする。
体を動かすと、ひどくだるいことがわかった。
私は寝返りを打つのを早々にあきらめて、溜め息をついた。
(ここはどこだろう…)

薄目を開け、目だけ動かして辺りを見渡す。
見慣れた天蓋の紺のカーテンと、そこから覗く大理石の窓が見えた。

ああここは、リヒ様の部屋だ。
青白い色は夜明けの薄暗い光だった。
リヒ様の部屋。
リヒ様のベッド。

ふと右腕にぬくもりを感じて、首を横に向ける。


「!!!」


そこには美しい顔のドラキュラが寝息を立てていた。

ガバッ


「…っっ!!」


驚いて飛び起きると、急にめまいと頭痛に襲われ、
マキアは頭を抑えた。


「…あ、マキア。無理して起きてはいけないよ…」


リヒ様は静かに上半身を起こすと、マキアの頭を撫で、
そのままゆっくりと肩を押した。


「まだ寝ていな。体は辛いはずだよ。」


リヒ様の声はいつも以上に優しく静かだ。
マキアはそのまままどろんでしまいそうだったが、
必死に意識をつないだ。


「リヒ様…私なんで…ここ…あの…」


意識も記憶も曖昧なマキアは、混乱して上手く言葉を紡げなかった。


「ハハ…うんうん、マキアの言いたいことはわかってるよ。」


リヒ様は微笑むと、マキアの首の下に自分の腕を置いて寝かせた。


「ピロートークをしてあげるから落ち着いて。」


リヒ様はにっこりと笑って枕に頭を沈めた。


「言い方…!!」


マキアは恥ずかしさに目を剥いて声を上げる。


「え?似たようなものでしょう?」


リヒ様は片目を瞑って、少し色っぽく微笑んだ。


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