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ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜

第11章  優しく出来ない




(好き…)
その言葉は甘く甘く、マキアの脳を侵していく。


「リヒ様……っ!!」


“私も”と言いかけた瞬間、耳元に強い衝撃が走った。


「ちゅ…ジュルル…」


「はぁっ…あ…ぁ…んっ」


いつもより激しく吸われ、マキアは戸惑いに目をきつく閉じる。
声が抑えられず、体がふるふると震えた。


「ゴク…ゴクっ…」


リヒ様が私の血を飲む音が間近で聞こえる。
耳の近くに牙を突き立てられたせいか、
快感も音もいつもより激しく感じる。


マキアの心臓はどんどん鼓動を大きくし、
全身の血が勢い良く巡っているようだ。


「ああ…あ…ぁリヒ様…リヒ様…」


リヒ様の名前を呼ぶ事で、必死に意識を保とうとするマキア。


「ジュル…ちゅ…ゴク…ゴクっ」


しかしリヒ様はその声に応える事なく、
激しく耳元に吸い付いてくる。


「んっ…あっ…リヒ…様っ…」


角度を変えて吸いつかれるたびに、
リヒ様のサラサラの髪や吐息が耳にかかる。
快感で頭がおかしくなりそうだ。
マキアはたまらず涙を流した。


「…マキア…綺麗…」


リヒ様は妖艶な瞳のままマキアをチラッと見ると、
目元に溜まった涙を口づけで拭ってくれた。
血の香りが鼻をかすめる。


「どうしよう…マキア。優しく出来ない…」


「!!」


リヒ様はぐっと強くマキアの腰と後頭部を掴み、
また強く吸い始める。

リヒ様の荒い息と、力の強さ、そしていつもは快感のすぐ後に訪れる心地よさがないことに、
マキアは怖さを感じていた。


「あっ…あっ…リヒ様…」


マキアの芯が疼いてくる。
どうしようもない快感が、
行き場をなくして体をうごめいているようだった。


「…ジュルルル…」


「あぁん…っ!」


一段と激しく吸われて、マキアの快感も強くなる。


「リヒ様…どうしよう…私…おかしくっ…」


マキアは快感に涙を流して、リヒ様に訴える。
(おかしい…いつもより我慢できない…どうして…)


「ごめんマキア…優しく出来ないって言ったでしょう…」


リヒ様は答えながらも血を吸うことをやめない。


「心地よくして上げられない…おかしくなって…」


「!!」


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