ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜
第11章 優しく出来ない
「さて…どうやって食べようかな…」
リヒ様の声が色っぽく響いた。
リヒ様のその言葉はマキアを興奮させるには十分だった。
加えて少しだけ掠れたその声は、いつもよりも余裕の無さが現れていてマキアをドキドキさせる。
「ココにしようかな…」
リヒ様はマキアの腰を左手で少し強引に引き寄せると、
右手を後頭部に埋めた。
耳元の付け根から少し下まで舌で舐める。
いつもよりも耳に近い位置に決めたらしい。
リヒ様の髪が、頬や耳に掛かってマキアの肌を刺激する。
微かな刺激でも、敏感になっているマキアにとっては全て快感の呼び水になってしまった。
「ふっ…う…リヒ様…」
マキアの目が潤んでいるのに気づき、
リヒ様が舌をのぞかせて笑う。
「もうそんな可愛い声出しちゃうんだ…」
リヒ様は目の色を変えて、耳元にかかるマキアの髪をどかすと、
首筋を露わにした。
耳元に風が入り、リヒ様の口付けの跡が冷えて、
首筋が濡れていることをマキアに実感させた。
「ひぁ…っ…ううっ…」
どうしようもない快感に声を抑えられない。
「…好きだよ…マキア」