ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜
第11章 優しく出来ない
リヒ様の長い指が、ゆっくりとブラウスの中に入って行く。
「っ…」
首筋を掠める冷たい指先に反応し、
マキアはピクッと肩を揺らした。
「マキア…可愛いよ…」
リヒ様は目元を細めて溜息をついた。
鎖骨をゆっくりとなぞり、
体温が移った指先を今度は上へと這わせていく。
「んんっ…」
マキアはぞくりと走る快感に目を瞑った。
「マキア、優しくできなかったらごめんね?」
「リヒさ…まっ…んっ!」
マキアの返事を待たずに、
リヒ様が一気にブラウスの襟元を開け、肩口まで下げた。
勢いよく暴いたため、ボタンがひとつ弾け飛ぶ。
淡く血管が浮き出たやわ肌は、上気していて薄いピンク色だ。
リヒ様はたまらなくなり、
肩口のブラウスを握りしめるとマキアをぐっと引き寄せた。
首筋に顔を埋めて、口付けながら舌を這わせる。
「は…あっ…ふっ…」
大きなリップ音を響かせながら首筋を舐めあげられ、
マキアの体は恥ずかしさと快感に侵されていく。
「リヒ…様…っ」
マキアは声を抑えられずに、口元を手で隠す。
「ダメ。」
リヒ様はマキアの手を顔から退かすと、自分の指に絡めてしまった。
「マキアの声も、表情も全部見たい…」
リヒ様は妖艶に笑うと、耳元で低く囁いた。
吐息が耳に掛かり、マキアはビクっと背中を反らしてしまう。