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ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜

第10章  愛の形




「愛し方、愛され方は人それぞれということだね。」


リヒ様は今までの表情とは一転して、にっこりと笑った。


「“恋バナ”楽しかったな。」


リヒ様は、さも楽しそうにハートランド様との話を思い出していた。
空気を変えようとしているのだと思い、私も乗っかる。


「あまり“恋バナ”したことないんですか?」


リヒ様の思い出し笑いにつられて、私も笑ってしまう。


「ないよー。あんな純粋なドラキュラ、意外と稀なんだよね。
もっと突っ込んだ事聞いてみれば良かったね。」


二人でクスクスと笑った。


「ハートランド様、リヒ様のこと最後には『師匠』って呼んでましたね。」


ハートランド様はリヒ様をとても慕っているように見えた。


「今夜は激しいかもね…。彼女大丈夫かな?」


リヒ様は私を見て妖艶に聞いた。


「…えっ…!?」


「だって彼にとっても彼女にとっても“初めて”でしょ?
どんな夜になるんだろうね?」


リヒ様は唇を舐めた。
唇は濡れてうっすらと赤い艶を持ち、
マキアの目を釘付けにした。


「何を想像したの?マキア」


リヒ様の低い美声からは色香が漂ってくるようで、
マキアはゾクっとした。


「カーディナルの代弁、もう一度ここで言ってくれない?」


「っ!」


自分の心臓の音がうるさい。
耳まで赤いのが自分でも分かる。


「…ねぇ、言ってくれないの?」


リヒ様は少し困ったように小首を傾げて、ねだってくる。


「!!」


首筋が一気に熱くなる。
その姿に抗える訳もなく、私は羞恥心を飛ばしてしまった。


「…私の血を飲んでください…」


驚くことにマキアは自分のブラウスのボタンを二つ、自ら外していた。


「!」


リヒ様はその指に自分の指を重ねて、優しく笑った。


「誘い方が上手になったね。マキア。」

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