• テキストサイズ

ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜

第10章  愛の形




「ハートランド様は外見の美しさも好みの一つだと仰っていましたが、
カーディナルさんは、お化粧や髪型などでそれを表現している訳ではないはずです。
…つまり、貴方にとって“綺麗に見えるように”努力しているのではなく、
“美味しそうに見えるように”努力されているのだと思います…。」


ハートランド様の目が輝いている。
なんだか子犬のようにも見えて可愛らしかった。
もしもしっぽがあったら、千切れんばかりに振っていそうだなとマキアは思った。


「…そうなの?カーディナル…?」


ハートランド様は期待と不安を含んだ顔で聞いた。


「……。(コクン)」


カーディナルさんは小さくうなづいた。
その目は明らかに潤んでいて、頬が桃色になっていた。


「カーディナル…!!」


ハートランド様は感極まったような声を上げ、カーディナルさんを掻き抱いた。


「おやおや。」


リヒ様は楽しそうに笑った。
なんだか私も嬉しかった。
最初の雰囲気が噓のようだ。


「私たちブラッディ・ローズは、主人に血を提供できる存在です。
私はその存在価値を誇らしく思っています。
きっとカーディナルさんも、そう思っていらっしゃるのではないですか?」


「うんうん…そっか…ごめんカーディナル。」



「…。」


カーディナルさんは何も言わずに優しく微笑んだ。


「マキアちゃんありがとう。彼女の気持ちを教えてくれて。」


ハートランド様は太陽のように笑ってお礼を言ってくれた。
綺麗な顔の人が子供のように笑う姿は、何とも言えず可愛い…。


「っ!いえっ!」


(くはっ!その笑顔はダメ…)


私がときめいていると、リヒ様から冷たい視線を感じた。


/ 68ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp