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ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜

第8章  妬きもち



「リヒ様…お許しをっ……」


マキアは泣きそうな顔をした。


「…マキア、その顔も可愛いよ。
泣き顔も見たくなってくるね…。
エロイーズの媚薬なんかより、
君のその顔の方が、私には甘い毒だ。」


リヒ様は甘い声で囁き、妖艶に微笑む。
その紫の瞳の奥に、獣のような火が静かに灯った気がした。


「君のブラッディ・ローズとしての意思の強さ、
私への忠誠心は称賛するよ。
偉いね、マキア。」


リヒ様はマキアの頭を優しく撫でる。
そして、ニッと笑った。


「チャームをかけてみようか。
そうすれば素直に話してくれるかな。」


「!!」


リヒ様の目が三日月型に笑う。
マキアは背筋がゾクっとした。
マキアの本能が、危険を知らせているような感じがした。


「私もまだ媚薬が抜けきれていないみたいだから、
やさしくできるかわからないよ…?」


リヒ様は、空いている方の手でマキアの唇を優しくなぞる…。
人差し指と中指の腹が、マキアの下唇の薄い皮膚の上を、触れるか触れないかの強さで往復する。
その優しすぎる刺激が逆にもどかしさを誘発し、更なる刺激を求めさせようとする。


「ふ…は…、ぁ……」


マキアの身体は、これから起こることに期待をするように、
じんわりと熱を帯びていく。
抗えない感覚に、マキアは不安と興奮が入り交じる。


「さぁ答えて」


リヒ様の目はこの上なく淫靡だ。


「あぁ…リヒ様…」


マキアの唇から濡れた舌が覗く。
リヒ様はその様子を目を細めて見下ろした。


「私は…」
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