ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜
第7章 媚薬
「っ…はっ…」
エロイーズ様から熱い吐息が漏れ始める。
リヒ様が頬を優しく撫でると、ピクっと反応する身体。
「どうした?…素直に言っていいよ?」
リヒ様は楽しそうに微笑むと耳元で囁いた。
「あっ…ま…まさか、これ…」
エロイーズ様はテーブルに置かれたワイングラスを見た。
「フフッ。さすがだね、もう分かっちゃった?」
リヒ様は妖艶な笑みを消して、悪戯が成功した子供のように笑った。
「そう。あのワインに入っていたのは媚薬だよ。」
「!!」
エロイーズ様は愕然とした。
「君は感受性が豊かだからかかりやすいと思ったけど、
こんなにも感じちゃうとはね…」
リヒ様は頬に添えていた手を首筋へと滑らせた。
「あんっ…や…」
エロイーズ様はびくびくと震え、顔を真っ赤にした。
「アハハ。感受性だけじゃなくて感度もいいんだね?」
リヒ様はエロイーズ様の反応を楽しんでいる。
「まさか自分が薬を盛られるなんて、
これっぽっちも思わなかったんじゃない?
媚薬の専門家に媚薬を盛ろうとする者は中々いないだろうしね。
油断したでしょ。」
リヒ様の手が首から鎖骨、肩へと滑っていく。
「っ…んっ…っ…ふ…」
エロイーズ様は必死に耐えていた。
その反応が逆に嗜虐性を煽るように見え、
マキアの方がドキドキしてしまう。
「安心して。素人の薬だからすぐ抜けるよ。
その分即効性があるけどね。
まぁ君なら解毒剤なんて、いくらでも持ってるだろうけど。」
見下ろして笑うリヒ様を、エロイーズ様は潤んだ瞳で睨みつけた。
そんなエロイーズ様の肩を掴むと、ぐっと引き寄せて甘い美声で囁いた。
「このまま帰してあげてもいいけど、
せっかく薬が効いてるんだから…
…可愛がってあげてもいいよ?」
「!!!」
最後の言葉の破壊力は絶大だった。
低い声音のせいか、妖艶さのせいか、
側にいるマキアは全身が疼くような感覚に襲われた。