ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜
第7章 媚薬
「ふふふ♡ピュアな子なのね。
次に来る時は、もう少し香りを抑えないと。
貴方がヤキモチ妬いてしまうわね♡」
向いのソファに優雅に座ると、
わざと太ももを見せる様に脚を組んだ。
「お心遣い感謝しよう。
でも次はないから気にしなくていいよ。」
低くつぶやきながら、冷ややかに見下ろした。
「ふふっ♡そんなにむくれないで。
私が興味があるのは貴方だけだから♡」
ゆっくりと立ち上がるとシナを作り、
お尻を振りながら彼の前まで歩く。
コツコツと響くヒールの音が、
何かのカウントダウンのようだった。
「ねぇリヒテンシュタイン様♡」
前屈みになって顔を覗かれると、
たわわな胸が目の前で揺れた。
「……レディ。座って話したらどうなの?」
苛立ったように見上げるが、
その目は先程よりも熱っぽい。
「あらっ隣に座ってもいいのね♡
ありがとう♡」
横たわる様にソファーに座り、
彼の腕に自分の腕を絡ませる。
ぎゅっと密着すると、豊満な胸の柔らかい感触が鮮明に伝わる。
彼は熱い吐息を吐いて、眉間にシワを寄せた。
何かに必死で耐えているようだった。
「貴方の吐息、バラの砂糖漬けの香りがするわ♡
甘いものがお好きなのね♡」
そうつぶやくとさらに密着して、上目遣いで顔を寄せる。
「ねぇ?喉が乾かない?
私はカラカラよ…。
…貴方もでしょう?」
彼女の顔が近づき、甘い香りに包まれるような感覚に襲われる。
「キス…したくなってこない?」
彼女の甘い吐息が触れる。
「いいのよ抑えなくて…♡」
「…っ」
無意識に彼女の顎を掴み上向かせる。
「ふふ♡素直な人は好きよ♡」
彼女はスリットから太ももが見えるように脚を絡ませると、胸を押し付ける。
「エロイーズ…」
彼の熱い視線と吐息が唇にかかり彼女はニヤリと笑う。
「お子様でもやっぱり男の子ね♡」
彼女はゆっくりと目を閉じ、彼の唇の感触を待った……
カシャーン
「「!!」」
振り向くと、銀のトレイからワイングラスを落とし、
真っ赤な顔で立ち尽くすマキアがいた。