ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜
第5章 白薔薇の砂糖漬け
リヒ様はようやくマキアの首筋から牙を抜いた。
首筋に溢れた血を丁寧に舐めとっていく。
ちゅっ、ちゅと水音が響いた。
心地よさはまた快感に変り、
思わず声が出てしまう。
「ん…っ…あっ…」
マキアは快感に抗えず、リヒ様服を強く握る。
「リヒ…さまぁ…」
「ん…なぁに?」
「もう少し……優しく…」
マキアの顔はとろんとして上気していたが、
快感に負けないように必死だった。
「ふふ…私はチャーム、使ってないよ。
それなのに負けそう…?」
リヒ様は挑発的にクスッと笑った。
「い…いじわる…あっ」
最後のひと舐めに、マキアの身体はピクっと震えた。
その反応をリヒ様は楽しそうに眺めていた。
首筋に付けられた牙の痕は次第に消えて行き、
最後はじんじんとした熱だけが残った。
「ごちそうさま。」
リヒ様は赤く濡れた唇で艶っぽく微笑んだ。
その顔は美しい獣の様で、マキアの体を熱くさせた。
「そんな可愛い顔で見つめると、本当に襲うよ。」
マキアは必至に体を離そうとしたが、体に力が入らない。
血を吸われた後はいつもこうなる。
気だるい感じで熱くて眠い。
「フフッ…分かったから良い子にして。
ベッドまで運んであげるから。」
リヒ様は軽々とマキアをお姫様抱っこすると、
ゆっくりとマキアの部屋へ運んだ。