ドラキュラさまの好きなモノ〜主人とメイドの恋煩い〜
第4章 色男なパパと艶女なママ
マキアはかなり緊張しながら、
グラスワインを用意した。
ローズレット・シュタイン様はそんな私を微笑ましく見つめていた。
「ちょっと見ないうちに、
すっかりレディになっちゃったわねマキア☆」
「そ…そんなことは、、、恐縮です、、」
ちょっと見ないうちって、
前会ったのって私が生まれた時ですけど。
「ローズレット、舌なめずりはヤメナサイ。
マキアはリヒのモノなんだから。」
アレイン・シュタイン様は自分の妻にウィンクをして、リヒ様を見た。
「二人とも相変わらずだね。
母上は未だにバイなのか。」
リヒ様は大きな溜め息をついて、冷ややかな視線を送った。
「あら、美味しいものに男も女も関係ないわよ☆」
ローズレット様は、艶やかな深紅の唇の端を上げて、
妖艶に微笑んだ。
「パパは絶対女の子のがいいな~。
柔らかくってイイ匂いがして。
ちょっとチャームをかけるだけで“食べて下さいっ♥”って
潤んだ瞳で服を脱ぐし。。。」
アレイン様はいつぞやの情事を思い出しているのか、
うっとりとして言った。
「あらっ、パパったらイケナイ人!
若い娘ばっかりつまみ食いしてっ。」
ローズレット様はアレイン様の頬をつねった。
「もちろん、君の美しさと美味しさにはかなわないけどね」
アレイン様はそう言うと、彼女の首筋に口づけして、
そのまま舌をゆっくりと滑らせた。
「あんっもうっ♥」
マキアはその様子を真っ赤になって見ていた。
「アンタらささっと帰れ!!」
静かに一部始終を見ていたリヒ様は、
震えながら立ち上がった。
「っったく、イイ歳したジイさんとバアさんが、
何世紀そんな事やってんだよ!!
棺の中で永遠にやってろ!!」
「ひぃっ!!」
マキアは、リヒ様の突然の怒りにびっくりして
ワイングラスを落としてしまった。