第1章 「出会い」
「まもなくー、銀座ー、銀座ー。」
あぁ、、すっごくわくわくしてる。
足がふわふわして、胸がドキドキする。
あの人に、会えるんだね。
初めてのひとり東京に戸惑いながら、一歩、また一歩と確実に劇場へ近づいているのを感じる。
チケットを忘れていないか、何度もカバンを確認しては安心して、
緊張しているせいかすぐに口が乾くから、何度も何度も水を飲み、
バッグの手持ち部分と、地図が表示されているスマホをぎゅっと握りしめ、前を見る。
人の流れに身を任せながら、Suicaを取り出して改札にかざし、
左手の階段をゆっくりと登り、地図を頼りに劇場へ向かう。
突然、スマホの地図が目的地周辺であることを告げ、なぜか急に怖くなる。
「緊張」
こいつらが、頭の中をぐるぐると走る。
そして、心臓や腹部で暴れ始めた。
「あ、意外とちっちゃい劇場なんだな、、、」
入っていくお客さんは少ない。
私は期待と不安を抱えながら、エレベーターの上ボタンを静かに、けど強く押しこんだ。