第16章 5月4日 合宿3日目
あのあと、大量のお皿を洗い終えたあと、潔子さんは家に帰ってしまった
「(あーあー...潔子さん帰っちゃた...)」
そんなことを思いながら歩いていると、後ろから強い衝撃がくる。
「ふぁ!?」
西谷「ハハハ!驚いたか!?まお?」
「な、なんだ...のやさん...か...びっくりしたー...」
いきなり後ろから背中を押したのはのやさんだった。のやさんいわく、トイレの帰りらしい
西谷「どうせ、部屋戻るんだろ?一緒行こーぜ!」
そう言って"ニカッ"と笑うのやさんはイケメンだった
部屋の前まで着いて、のやさんがドアを開けようと、手を掛けようとしたとき、のやさんの手が止まった
いきなりの事で驚き、私は"どうしたの?"と聞こうと口を開こうとしたとき、のやさんが私の口を勢いよく押さえた
「おぐっ...」
西谷「静かに...力が何か言ってる...」
「!?」
私たちは静かに聞き耳を立てた
よく聞くと、木下と成田、日向と飛雄も一緒っぽい
縁下「__ぬるま湯に浸ってたみたいな俺達はびっくりして逃げ出した。でもやっぱりバレーがしたくて、戻って来た時には、烏養監督はもう居なかった...」
成田「うちは部員が多くないから、澤村さんはちゃっかり戻って来た俺達にも目を瞑ってくれてんだと思う。」
成田のその言葉を聞いて、私は今すぐこのドアを"スパァーンッ!"と開け放って、"そんなわけねーだろ!ボケェ!"と言いたい気持ちが込み上げてきた
それは、のやさんも同じようで、少し反応している。
しかし、いまソレをしてはいけないことくらい流石に分かる
私たちは静かに聞き続ける
縁下「俺達、情けない2年だけど...戻って来れたからには、お前達にも負けないようにがんばりたいと思うよ。だから....改めて宜しくな!」
そして、しばらくしてから、日向と飛雄の"ハイ!"と元気な声が聞こえた
そして、
____スパァンッ!
は...?
西谷「よく言ったぞ!力ぁぁ!カッコよかったぞ!」
そう言いながら出ていったのやさん
縁下「え....ちょっ...もしかして、2人共聞いてた....?」
困惑している縁下達
「えっと....__」
私は目を合わせることが出来なかった