第15章 夜は静かに過ぎて行く
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それは中学最後の市総大前だった
1「チャンスー!」
2「ライトライトー!」
いつもと変わらない試合型練習
でも、明らかにみんなのミスが多いのが分かった
「ねえ、みんな今日ミス多いよ」
練習間の休憩中、私は、このままではいけないと思い、注意した
2「そうだった?」
3「そう感じただけじゃない?」
まるで、どうでもいいように返す姿に腹がたった
でも、ここでチームの雰囲気を壊す訳にもいかなくて、私は、"うん...."と会話を終了させた
私が中学2年生の時、弟が男子バレー部に入部したのをキッカケに、男子バレー部部長の及川さんと話す機会が多くなった
内容はたわいのないことで、弟とはどうだとか、ちょっとしたプレーの相談。
及川さんと岩泉さんの例の夜のことなども聞いた
その時、何故か私に話しかけてくる女子バレー部員も増えた。大体予想はつくだろうが、私にはどうでもよかった
そして、それは及川さんが卒業するのと同時に減っていった
でも、私には関係無い
バレーができればそれでよかった
そんなとき、ユースの合宿に招待が掛かった
かえって来てからは、チームのレベルの低さに唖然とした
そして、それは怒りに変わっていった
今回もそれの延長だろう。しかし、
私はサーブを綺麗にレシーブした
そして、セッターの頭上に綺麗にきたボールをセッターの子がセットアップ
しかし、スパイかーの子が少し出遅れて、ボールはまさかのアウト
そして、私は見ていた
スパイカーの子はよそ見をしていて、自分のボールに気づくのが遅かった
試合前によそ見して、しかも、ミス
これが試合だったら?
3セット目の相手のマッチポイントだったら?
決勝だったら?
イライラは積もるばかり
「今の、絶対打てたでしょ....」
気づいたら口から出ていた言葉
4「ごめ~ん、次は打つからさ~」
その軽いノリに私は怒りを覚えた