第13章 5月3日 合宿2日目
~11:05 烏野高校第二体育館~
私たちは体育館に戻ったあと、日向だけ烏養コーチに怒られて、そのあと練習に参加した
烏養コーチがボールをドンドン出していく
ドンッ、ダンッとボールが跳ねる音とキュッキュッとシューズの擦れる音が響く
山口は5本目をなかなか上げられないでいた
烏養「ラスト一本に何本かかってんだ。集中しろ!」
山口「も もう一本っ」
大きな声で叫んだあと、ボールが山口めがけて一直線でくる
田中「山口!」
田中の合図にとっさに反応し綺麗に返す
「ナイスレシーブ!」
私は隅で皆の様子を見ながら、一言そう掛けて、ノートにペンを走らせる
簡単な成功本数とか、色々と日頃から記録するようにしている
清水「5本成功です。交替!」
潔子先輩の一言に山口は"はあぁ~っ"と声を漏らす
そして、次は飛雄だ
しかし、コイツはすんなり5本あげてさっさと交替してしまった
マジで、上手いから腹立つ
そして、日向...と続いていく
烏養「じゃあ、午前ラストサーブ!!」
みんな「「「「アス!!」」」」
あらかた練習が一段落したところで、午前ラストはサーブ練習だ
田中「うーん...ジャンプサーブを出来るようになりたい....」
たまたま田中の隣に立っていた私は、ソレを聞いて吹き出した
田中「なッ!いーじゃねーかよ!」
「ごめん、ごめん....ジャンプサーブかぁ、中学ん時めっちゃ練習したなぁ」
田中「"空中の支配者"の必殺技だったよな~ジャンプサーブ!」
「...そうだったっけ?覚えてないや 」
そのあと、私は"じゃッ、頑張って~"と田中を置いて先生の所へとむかった
「烏養コーチ...これ、午前の分の記録です。率直な感想としては"繋げる"のをもうちょっと....」
私は本心を言った
もう少し、レシーブ強化が欲しい
烏養「やっぱりレシーブか...まおは中学ん時どんな練習をしてた?」
「私ですか?私は男子と合同で練習することもしばしばあったので、それで結構鍛えられた気がします...」
そう答えると、また"うーん"と悩む烏養コーチ