第6章 in THE LIBRARY
「え、あ……どう思ってるか……ですか?」
「うん」
「そうですね……」
……どう思っているか。
ひどく大雑把で答えづらい質問だと思います。
「すごく答えづらい質問ですね」
「そう?ごめんごめん、でも、聞きたくて」
答えづらいというのは、雪ノ下先輩のことをどう思っているか考えたことがないからではなく、考えているからです。
「ひとことで言えば……憧れ、ですかね」
「え?憧れ?初めて言われたかも」
やはり私の価値観は人からズレているのかもしれませんね。
初めて出会った、助けていただいた時から、思い返せば“憧れ”ていたのだと思います。
初めて出会ったときは、何よりも“感謝”という気持ちが大きかったとは思いますが。
私を助けてくれた、親切な人だって。
綺麗な人だって。
眩しい人だって。
憧れの感情を持つのは、私にとってごく自然なことだと感じました。