第6章 in THE LIBRARY
めぐちゃんの恋の行方はどうなのかは分かりません。
めぐちゃんと私はただ席が近いだけ。
めぐちゃんには私以外にもたくさんのお友達がいます。
だから、わざわざ色恋沙汰に疎い私に話す必要はないのでしょう。
そして、その後彼女達の口から雪ノ下先輩の名を聞くことはなく、季節は秋になっていました。
……がらり。
いつも通りに図書室のドアを開けると、そこには彼がいました。
「伏見サンじゃん、いらっしゃいませ」
ふざけたように私に笑いかける彼は、この前図書室で会った時と同じような眩しい笑顔でした。
秋の空の太陽はもう既に沈みかけていて、その光は彼の髪の毛に柔らかくきらめきを与えているかのように思えます。
「…こんにちは」
彼はまた仕事を頼まれたようで、奥の方でなにやら書類を整理しているようです。
「…伏見サン、また話し相手なってくれない?」
「…私で、よければ。」
彼と二人で話す時間は嫌いではありません。
なんだか、落ち着くんです。
めぐちゃん達と話していると少なからず疲れるのですが、彼……雪ノ下先輩と話していると、むしろ疲れが取れていくかのようなんです。
不思議ですね。