第3章 STUDYING
私の価値観は、周りとはズレています。
私の言う『そこそこの成績』というのは、
学年三位以内でした。
両親は厳しい人で、一位だとしても褒めてはくれませんでした。三位以内だなんて、当たり前。そんな風に考える人。
隠している訳ではないのですが、父親が会社を経営しています。
そして、私には妹しかいないので、跡取りとなるのは私か、私の結婚相手になります。
会社の未来を担っている私が、成績を維持しなくていいわけがありません。
だから、三位というのは『そこそこ』の成績なんです。
けれど、周りの友人達の『そこそこ』というのは、もう少し低い成績です。
彼女達からすると、私の成績は『とても良い』成績だそうです。
友人達とは価値観のずれた両親のもとで育った私は友人達の価値観からズレてしまいました。
彼女達の価値観を否定するつもりはなかったけれど、知らず知らずのうちに否定してしまっていたようで、彼女達は私から離れていきました。
…頭がいいからって調子に乗らないでよ
…ウザいんだよねー、そういうの
私と価値観の違う彼女達は、そんな心ない言葉を吐きました。