第4章 転
「頼むよ!このままじゃ、主も、皆も…」
その時清光は、刀の切っ先が、自分の手足がどうしようもなく震えている事に気付いてしまった。
いくら止めようとしてもその震えは一度自覚してしまうと、もうどうにもならない。
ピシャリと乱暴に障子が開け放たれ、和泉守の怒号が轟く。
「……何考えてんだ、テメェ!」
そのまま飛び蹴りをまともにくらい、刀は弾き飛ばされ清光自身も床に転がりそのまま取り押さえられた。
「国広ッ!縄持ってこい!」
冷たい床に押さえつけられながら、彼は叫ぶ。
「安定!池田屋に、行っちゃダ…だ!」
どうやら時間切れのようで、清光は最後の力を振り絞った。
「れき…が変わ……、俺た……んな死…じまう!」
「安、定!や………!………!」