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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第6章  そういうの柄じゃないので(花巻貴大)



 公園を出て駅前通りを進み、寂れた商店街を抜けて線路沿いへ。

 すると、そこは既にホテル街。

 休憩 2,600円〜
 DVD貸出多数!

 やたら煌びやかなネオンの中にそんな文字が躍る。毛ほども臆せず、ホテルのひとつへと入っていく彼女。


「ねえ、どの部屋がいい?」

「何でもいい。あ、やっぱここ」

「ローションマット付きとか」


 花巻って、そういうのがお好み?

 部屋選択のボタンを押下しながら彼女が問うから、俺はその肩を抱いてこう答える。

「パイズリが夢なんですけども」
 半分本気の冗談でそう言ったら、脇腹に鋭いエルボーが飛んできた。


「それ、私の胸じゃ無理って分かってて言ってるよね?」

「いや、あの、ほんとスンマセン。でもほら、スレンダーな子も好きよ俺」


 適当に過ぎていく時間。
 適当な恋人ごっこ。

 心地いい、そう思う。

 痛い痛いと泣き叫ぶ心が、少しずつ穏やかになっていくような。そんな感じ。

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