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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第5章  愛玩(及川徹の場合)



 彼の嫌いなモノも知った。

 高速で飛んでくる系の虫。むやみやたらにクラクションを鳴らすひと。自分の愛する人を傷つけるような悪口。

 とある、ネットニュースで。
 惨敗した龍神日本が批難の対象になったことがあった。

 決定打に欠けると、名指しされたのが木兎選手。及川さんは、ひどく怒っていた。

 チームメイトが悪く言われるのは我慢ならないと、顔を歪ませていたのだ。自分が散々なことを書かれたときは飄々としていたのに。

 例の、甚く美しい笑みを浮かばせる彼。笑っているはずなのに、まるで、泣いているみたいな。

 その笑みを見たときだ。
 私は、明確に自覚した。


 彼を想うこの気持ちは、恋なのだと。


 それからは葛藤の日々。

 ペットとして彼に触れられるたび、胸が張り裂けてしまいそうだった。

 もっと触れてほしい。
 頭を撫でるだけじゃなくて、もっと、その先も。

 そう願うあまり溜まっていったのは劣情。彼を好きだと思えば思うほど、切ない寂しさが募っていく。

 そんなときに再会したのが、元恋人のタクヤだったのだ。

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