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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第5章  愛玩(及川徹の場合)



「はは、ああそう、彼女じゃなければ何してもいいんだ?」

「っ、………」

「言ったよね。ご主人様を裏切るような真似したら許さないよ、って」


 言葉でこそ笑ってはいるものの、声や顔は一切無感情のまま。温度のない瞳が私を射抜く。

 なにも答えずに黙っていると、再度問われた。背筋がぞくりと震えるほど、優しい声で。


「ねえ、椿。忠誠心を捨てたペットには、──どんなお仕置きがお似合いだと思う?」


 ポスッ、と渇いた音がする。
 彼が何かを放り投げたのだ。

 私の足元に落ちたそれを見て、呼吸が止まる。足枷のファーとよく似た色の機械。

 小さな繭状の物体からは細くコードが伸びており、強弱調節用のリモコンに繋がっている。

 これ、ピンクローターだ。


「どうすればいいか分かるよね?」


 及川さんの冷淡な声が響いた。

 宣告と、警告とを内包した声。

 お前に拒否権などない。
 もし拒絶をしようものなら、その喉元を絞めつけてすべてを奪い去ってやる。そう、瞳が語る。声なき脅迫。

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