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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第5章  愛玩(及川徹の場合)



 そのタクヤと昨日、偶然再会したのだ。大学からここへ帰ってくる途中で。

 偶然の再会に話が弾んで、ノリと勢いで飲みにいくことになって、そのまま「──ヤッたんでしょ? こいつと」


 ビクッ、と肩が跳ねた。


「なんで、それ知っ、……!」
 スマホを操作した及川さんが再度画面をこちらに向ける。光る、液晶のなか。

 映っていたのは、ラブホのベッドでうたた寝をする私。無料通話アプリの画面だ。送信主はもちろんタクヤ。

 添えられたメッセージは、お前の寝顔、相変わらず可愛いな。


「ばかな子。嘘が下手だね」

「どうして、……及川さん、昨日は木兎さんの家に泊まるから帰らないって」

「光太郎の子供が熱出したの。だから帰ってきたんだよ、お前の大好きなケーキまで買ってね。健気でしょ?」


 なのに、ね、お前ときたら。

 抑揚のない声で言われて、今度はサアと血の気が引いた。

 及川さんの目が完全に座ったからだ。
 今までずっと笑みを湛えていたのに、ついにそれが抜け落ちた。

 殺されるかもしれない。
 そんな恐怖さえ、──けれど。

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