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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第5章  愛玩(及川徹の場合)



「タクヤってお前の何なの、彼氏?」

「違、っただの、……友達」

「ふうん。トモダチ、ねえ」


 そこで一旦言葉を切った及川さんは音もなく、二歩。滑るようにしてこちらに近づいてくる。

 同時に何かを引きずる音が聞こえた。

 目を凝らして見ると、それはどうやらダイニング用の椅子らしかった。

 重厚感のある造りの、黒檀製なのだと以前、彼が言っていたように思う。

 ベッドの足元にあたる位置。
 繋がれた私と向かい合うところまで移動した彼は、おもむろに腰を下ろして足を組んだ。

 ゆっくり、ゆっくりと、こちらに向けられるスマホの画面。




「 う そ つ き 」




「──……っ!」
 そこには、仲睦まじそうに頬を寄せ合う男女が映っていた。

 インスタにアップしたいからと言ってタクヤが撮ったものだ。彼は、そう、たしかに私の元カレである。

 及川さんに出会う前、彼と私は恋人同士だった。別れたのも、及川さんに出会うよりずっとずっと前のお話。

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