第4章 愛玩(木兎光太郎の場合)
ちゅぷりという水音の後、キスから解けた彼の舌が、頤を通って首筋へと降ろされた。
鎖骨の、上辺り。
皮膚が薄いところを食みながら、彼は私のブラウスのボタンを外していく。
ぷちん、と最後のひとつが外され、露わになった下着の上から乳房を揉みしだかれた。
彼の好きなように形を変える胸の、中央の蕾。総レースのブラの下で主張を始めたそれを、光太郎は見逃さない。
「硬くなってきちゃった?」
愉快そうに、笑んで。
「かわい、その顔堪んねえ」
上気した私の頰を食む。
そこにあるのは彼がよく見せる満開の咲みではなく、眼下の獲物を喰らう悦びに打ち震え、そして嗤う──
男の顔をした捕食者の笑みだった。
「っ、あ、……ん」
下着をズラされ零れた乳房。
熟れた淡い桃色の周囲を、くるくると舐られてもどかしく腰が揺れる。
下肢が擦れる感覚に気づいたらしい彼がまたひとつ笑んで、その低くて甘やかな声でこう囁いた。
「もう動いちゃうんだ? えっちな腰」