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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第4章  愛玩(木兎光太郎の場合)



 重なる唇は、狂おしいほどに熱い。

 思えば今日までよく耐えたと思う。いい歳をした男女が二人、ひとつ屋根の下で過ごしていたというのに。

『セックスは無しよ、いい?』
 彼との奇妙な関係がはじまったとき、そう言いつけた自分が脳裏を過って薄笑いが漏れた。


「……っん、ぅ」


 キスの合間を埋める声と、どちらからともなく鳴らすリップ音。刹那的に離れた唇に熱い吐息を感じて、彼が興奮していることを知る。

 男性の割りには色白なその頰に手を当て、角度を変えて互いを求め合った。

 絡んだ舌が離れそうになるたび、離れたくないとばかりにまた絡めとられて、交わる熱。


「っ、は、……椿ちゃん、もっと」

「もっと、何?」

「深いのがいい。もっとちょうだい」


 せがまれて、求められて。
 彼が欲しただけ舌を差し出して、委ねて、されるがままに愛される。

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