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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第4章  愛玩(木兎光太郎の場合)




「あのさ、椿ちゃん」

「なあに?」

「俺、椿ちゃんに頭撫でてもらうのすげえ好きだけど、今日は違うご褒美おねだりしていい?」


 違う、ご褒美。

 そう問いかける彼の深意を瞬時に理解してしまえるのは、私が、その言葉を心待ちにしていたからなのだろうか。

 褒められるのが好きな彼。
 録画した試合を観賞する日には、必ずこうして頭を撫でてあげていた。

 まだ少し湿った銀髪に触れていたはずの掌が、彼の大きな手に掴まれる。


「もっときもちいいのが欲しい」

 捕らえられて。
 絡められる、指先。

「椿が欲しいの、お前を抱きたい」


 だめ?

 小首を傾げてみせてねだる彼の、双眸のゴールド。痛いほどに突き刺さる。

 私を見つめる瞳の奥。
 黄金色に煌めく蜜のなかに見てとれるのは、明らかな情慾だった。


「……駄目、じゃないよ」


 私がそう応えた、直後。

 反転する世界。
 ぱさ、と床に髪が散る。

 それはもちろん彼に押し倒されたからに他ならないのだけれど、せめてベッドに行きたかったと苦笑して、私は静かに目を閉じるのだった。

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