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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第4章  愛玩(木兎光太郎の場合)



 我ながら歪んでいると思う。

 テレビに映ってしまうほど有名なバレー選手を、というよりそもそも人間を、愛玩動物と同列に並べているなんて。


「ねえ、もう食っていい?」

「ちゃんと渇いた?」

「ん!渇いた! いただきます!」


 お行儀よくパチンッと手を合わせてから、勢いよくパスタを頬張る光太郎。

 そんな彼の向かいに腰を下ろし、むぐむぐと動く頬っぺたを眺めつつ、たしかこんな女性向け漫画があったはずだと昔を思い出す。

 独身のキャリアウーマンが、若くて美しい人間の男を飼うお話。

 私たちはまさにこれだ。
 私に彼女ほどのキャリアはないし、光太郎も美しいというよりは逞しい青年だけれど、境遇はとてもよく似ている。


「んー、んまー! やっぱ椿ちゃんの手料理最高! マジで結婚してほしい!」

「いいわよ、光太郎がもっと大人の男性になったらね」


 冗談以上本気未満。

 友人じゃなくて、恋人でもなくて。身体の関係もないからセフレでもないし、でも、彼がオフの日に帰ってくるのは私のところ。

 寝食を与えて、彼を愛おしく思って慈しんで、それが私自身を癒やすことにも繋がっている。

 だから、ペット。
 こう呼ぶのが一番相応しいのだ。

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