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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第4章  愛玩(木兎光太郎の場合)



 出来上がったクリームボロネーゼと、彼の好きな炭酸飲料を机に置いてテレビをつける。

 録画した番組の一覧から「vs オーストラリア」の文字を見つけ出し、決定ボタンを押したところで彼が戻ってきた。

 普段は猛禽類の羽角みたいにセットされた髪を垂らして、その前髪からはぽたぽたと雫を滴らせたまま。


「わ! うまそう!」


 濡れた髪もそのままにフォークを握った彼を捕まえて「ご飯はちゃんと髪を拭いてから」と、タオルを奪いとる。

 本当に、小さな子どもみたい。
 コートに立っているときの凛々しさが嘘のようだと、奇抜な色の髪を拭いてあげながらそんなことを思った。


「──それでは本日のスターティングメンバーをご紹介いたしましょう」


 煌々と灯ったテレビから聞こえてくる、実況者とアナウンサーの声。

 画面に目を向けるとそこには、まるでそこにいるのが当たり前かのように、彼が映っている。

 龍神日本 WS
 ──木兎光太郎

 これが、私の、愛しくて堪らないペットの本来の姿なのだ。

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