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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第3章  ひとはその奇跡を運命と呼ぶ(松川一静)



 *








「……覚えててくれたんですね」



 事後、愛された余韻が残る身体を起こしつつ、そう問うた。

 小さな冷蔵庫からミネラルウォーターを二本取りだし、そのうちの一本を松川先輩に手渡す。



 それだけで、こんなにも懐かしい。





「……忘れらんねえって。ていうか、お前こそ忘れてんのかと思ったよ」





 こくりと喉を潤わせる仕草。



 その横顔、その唇。

 三年前となにも変わらない。



 私が憧れて、どうしようもないほどに恋をした、松川先輩がそこにいる。





「忘れるだなんて、そんなこと、……出来ないですよ」





 ずっと覚えていた。
 ずっと忘れられなかった。

 忘れたいと願っても、他の誰かを好きになろうとしても、どうしても先輩への気持ちが諦められなかった。

 私は、私には、あなただけ。

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