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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第3章  ひとはその奇跡を運命と呼ぶ(松川一静)



「あ、……っん、っんん」




 突きあげられて揺れる身体。同調して跳ねる声、淫らに、上擦って。



 徐々に出入が速くなっていく。
 先ほどまで感じていた苦しさは、今はさほど感じない。異物感でしかなかった熱杭の圧迫が、次第に快楽へと変わっていく。



 初めてなのにこんなにきもちよくなれるの、きっと、──相手が先輩だから。







「……あっ、んっ、松川、先輩っ」







 ほとんど無意識に呼んでいた。

 新歓では皆が彼を「一静さん」って呼んでて、それがなんだか、妙に寂しかったことを思い出す。

「おー……久々に聞いたな、それ」

 腰の律動を止めないまま松川先輩が笑った。再度こみあげる涙は、やっぱり生理的なものなんかじゃない。






「……っ、ずっと、好きでした」






 何でこんなときに、告白なんか。


 そう思うのに止められなかった。



 堰を切ったように溢れだす。

 想いが、言葉が、叶うことが許されなかった「好き」の気持ちが。



「ずっと、……っ先輩のことが」

 あの日、最初で最後のキスをしてくれたあなたのことが。






「誰よりも「──好きだったよ、俺も」






 言葉が先か、行為が先か。



 焦がれつづけた彼のひと言に涙するのと、悦楽に追い立てられて限界を迎えるのは、ほとんど同時だった。







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