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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第3章  ひとはその奇跡を運命と呼ぶ(松川一静)



 止むことなく与えられる甘やかな痺れに、奥が爆ぜた。視界をぼやけさせる緑がかった霧。

 まるで、カメラのフラッシュを焚かれたあとみたい。


「きもちかった?」



 とびきり色めいた声音で問われて、私はうっとりと頷いた。




「そ、お前がイケてよかったよ」



 乱れてしまった前髪を、大きな手がそっと梳いてくれる。



 その心地よさに目を閉じると、睫毛に優しいキスが落ちてきた。それから頭上で、カサリ。無機質な音がする。



 ヘッドボードの上に置いてあったアメニティの避妊具が、否が応でも脳裏に浮かんだ。





「直視できない、ってか。ウブだねえ」





 なんだか気恥ずかしくて目を逸らしていると、からかうような声が飛んでくる。

「見ててもいいのに」
 だなんて余裕たっぷりな低音のあとに、パチンとゴムの音。



 鼻腔を突くラテックスに混ざって香るのは、葡萄、かな。子供向けのお菓子みたいな匂いがする。



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