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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第3章  ひとはその奇跡を運命と呼ぶ(松川一静)




「一緒にきもちよくなろっか」



 言葉が先か、行為が先か。


 とさりと乾いた音がして、自分の背中がベッドに沈んだことを知った。

 香るのはほろ苦いバニラ。
 彼が好んで吸っている、銘柄の。



 思い起こされる数時間前。

 さんざめく乾杯とコールの嵐のなかで、声をかけられた。



 新入生歓迎会に居合わせた男女。
 彼は三年生で、私は一年生。

 どこにでもよくある話だ。酔いが回った新入生を家まで送るという口実。行先は、もちろん家なんかじゃなくて。



 そう──

 こんなの、よくある話。

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