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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第2章  二度目のハートはささやかな約束と永遠の(黒尾鉄朗)






 戯れあって過ごす聖夜。

 薬指で、ハートが光る。



 気づけばあれからもう四年の月日が経っていた。何もかもが変わった。お互いに、大人になった。

 でも変わらないものもある。


 今までも、これからも、ずっとずっと変わらないもの。



 自宅で祝ったささやかな聖夜は、大切な記憶。鉄朗が奮発してくれた今夜は、ふたりの就職祝いと同棲開始祝いも兼ねた新たな門出。



 大学四年生の冬。

 今年も変わらず、あなたが居てくれる奇跡。



 シャンパンゴールドに染まる街を一望できるホテルの一室、ふかふかのクイーンサイズベッドのうえで、彼と肌寄せあって語るのは将来のこと。





「ちゃんとしたの、って、エンゲージリングでこんなに奮発しちゃってよかったわけ?」



「いいんだよ。結婚指輪はもっとすげえの買ってやるんだから、家中のハンカチかき集めて泣く準備しとけ」



「またそうやってハードル上げるんだから……でも、そうね、楽しみにしてる」





 彼と繋いだ手。



 薬指で光るのは、四年前とは別のハート。こまどりの卵とおなじ色をしたプレゼント箱が、枕元に転がっている。



 あの日の約束を果たした鉄朗が贈ってくれたのは、びっくりするほど高価で、うっとりするほど美しい、オープンハートの婚約指輪だった。












 了


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