第2章 二度目のハートはささやかな約束と永遠の(黒尾鉄朗)
もっと。
もっと。
これ以上ないというほどに彼と繋がりたくて、腕にありったけの力を籠めた。ぎゅううと密着するふたりの身体。
胸にこみあげる熱は、掛けがえのない感情だ。
「──……好き」
好きだよ、鉄朗。
私が囁くそれはまるでうわごとのようだった。何度も何度も繰りかえし、彼に揺さぶられるたびに愛を言霊にする。
「っばか、やろ、それ以上煽んな」
「……だ、って、好き、なの」
「も、分かっ、ああクソ、マジで出ちまう──……!」
始まりこそ緩やかだった抽送も、いまや激しく打ちつけられるそれに変わっていた。
無意識にキツくなっていく花襞が、より一層の硬度を増した男塊が、互いの限界が近いことを物語っている。
擦れあう愛器はどちらの物ともつかない蜜で溶かされて、とろとろで、ふたりの境界線が分からなくなるくらい。