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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第2章  二度目のハートはささやかな約束と永遠の(黒尾鉄朗)



 思わず涙ぐむ私の頭を、わしゃわしゃ!と撫でて彼は笑った。

「泣くほど嬉しいか? ん?」
 なんて、いつもの調子で、私をからかってみせて。



 なのに、ふと。

 ほんの、一瞬。



 鉄朗の瞳がふわりと綻んだ。



 ひどく優しげな眼差し。

 愛しさが、溶けこんだような。


 

「──大人になったらもっとちゃんとしたの買ってやるからな」



 高校三年生の冬。

 ささやかな聖夜。



 こらえきれずに流した涙は温かく、暖かく、つつと頬を伝いおりていく。



 この幸せを当たり前のように未来へと繋いでくれた鉄朗。

 眼前で笑んでいる彼を、私のすべてを尽くしてでも愛したい。愛していこう。これからもずっと。



 彼から貰った贈りものの全てをしっかりと胸に刻んで、私は、強くそう誓うのであった。 

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